こんにちは。
お久しぶりです、ぱにこです!
今回も0→1ファン作りついて、事例紹介をしていきたいと思います。
「0→1ファン作りとは?」
スタートアップ初期における、
①ユーザー獲得戦略・施策
②ユーザー定着戦略・施策
それぞれを、国内外の企業事例で紹介する連載記事です。
(参考:「0→1ファン作り」:スタートアップ初期における、ユーザー獲得・定着戦略の特集を始めます。)
前回は、国内インタビュー記事として「Bizer編」を公開させていただきました。
(参考:「0→1ファン作り」:Bizer編)
今回は、国内事例記事として「chezmo family編」をお送りします。
chezmo family(シェズモファミリー)は、日本に留学している外国人学生によるシッティング(親の代わりに子どもの世話をすること、家庭教師的な役割をもつこともある。欧米では学生のアルバイトとして定着している)サービスです。
「幼いうちから国際感覚を持った子どもに育てたい」という想いを持った家庭がターゲットになっています。シッティング内容は、送り迎えから語学・プログラミング・スポーツ・工作などのアクティビティまで様々です。各家庭の希望に合わせて、そのスキルに応じた留学生をマッチングしています。
近年、グローバル教育は様々な場所で囁かれています。chezmo familyではグローバルシッターサービスという形で身近に、さらに家族ぐるみで異文化に触れる機会を提供しています。
今回は「chezmo familyがどのように文化に馴染み、ファンを獲得したのか」について、
運用会社であるCURIO Japan(キュリオジャパン)株式会社代表、今西さんにお話を伺いました。
さっそくどうぞ!
今西 由加(いまにし ゆか)
CURIO Japan株式会社 代表取締役
大学時代に留学をはじめとした国際経験を積み、卒業後は複数の外資系企業でマーケティングを担当。働きながら子育てをするなかで、幼少期に異文化に慣れ親しむ経験の必要性を感じる。2016年、ママ友であった林氏と共にCURIO Japanを創業。「chezmo family」を始めとした、グローバル教育のサービスを展開している。
留学生のホームステイの受け入れ=ハードルが高い
→留学生によるシッティングという新しい形を提供
ー創業のきっかけ
きっかけは、北米で人気の「Little Passports」という小児向け教材との出会いでした。
これはマックスとミアという2人のキャラクターから月に一度、世界各地からお土産や手紙が届くという設定の通信知育教材です。
今西さんは、Little Passportsからアイデアを得て、幼少期から楽しんで異文化に触れるサービスを作ろうと決心をしました。それは自身の外資系企業での勤務経験から、子どもに小さなころから世界に目を向けてほしい考えていたためです。
(Little Passports 公式HPより)
しかし、企業勤めから起業した今西さんにとって、商品を作るときの資金や労力は現実的に難しいものでした。どうしようかと頭を悩ませていたところ、「留学生によるグローバルシッターサービス」を思いつきました。
その背景には、今西さんが累計20カ国以上の留学生のホームステイを家庭に受け入れていたことがあります。留学生と寝食を共に過ごすというのは、幼少期の子どもにとって特別な体験であると考えていました。
ママ友にこの話をしたところ、「是非、我が家でもうけいれたい!」という人が多くいたそうです。しかし、実際にホームステイを受け入れるには以下2つのハードルがあるという事がわかりました。
①ワーキングマザーにとって、留学生の食事を準備するのは大変
②都心の住環境では、留学生のために1部屋を用意できない
そこで、ホームステイではなくシッティングという形ならば、もっと手軽に家庭に取り入れられるのではないかと思いついたそうです。
ー実現したい世界
日本社会全体をグローバル化することをビジョンにおいています。
これからの国際社会で生きていくためには、多様性への理解が必要です
今西さんは自身の経験から、日本の語学偏重のグローバル教育に懐疑的でした。
言語が話せても、その背景にある文化への理解がないと国際的な付き合いはできないからです。そこで柔軟性のある幼少期に異文化に触れる機会を提供するサービスを立ち上げる決意をしました。
通常の学校教育では得ることの難しい、多様性の感覚を子どもたちに身に着けてもらうためにサービスを届けたい、と語ってくださいました。
①留学生の獲得 留学生の集まるコミュニティに自ら赴き、学生にリーチ
②依頼家庭の獲得 SNSを利用したアプローチとバイラル効果
(国費留学制度(日本政府による留学生への奨学金)の学生のみなさん)
chezmo familyには、留学生と依頼家庭という2種類の関連ユーザーがいます。このサービスでは、両者のインセンティブ設計がなされています。
留学生側には、日本のライフスタイルを知ることが出来る、また自分のスキルや好きなことをいかせるというインセンティブがあります。一方、依頼をする家庭では、子どもの異文化体験はもちろん、親にとってもシッティングをしてもらうという面で利得があります。
では、これらのインセンティブを念頭に2種類のユーザーの獲得方法について見ていきましょう。
ー留学生の獲得
サービスを立ち上げるために、まずは留学生を集めるところからスタートしました。
手始めに我が家にホームステイしていた留学生に紹介してもらっていましたが、それでは足りません。
そこで、自ら大学や留学生のコミュニティなどに足を運びました。
知り合いの人力で集めるのには限界が有ります。彼らから得られた情報の元、沢山の留学生が集まる場所に赴きました。
毎週金曜日に開かれる、東京大学の留学生が集まるランチ会に何度も出席しました。そこで出身国やスキルが様々な学生を確保することができました。
文部科学省が行っている国費留学制度(日本政府による留学生への奨学金)である「MEXT SCHOLARSHIP」の奨学生協会(MEXT Scholars Association )との協力関係を結びました。同協会に好奇心旺盛で活動的な学生が多いため、そことのパートナシップを通じて教育に関心のある学生に効率的にアプローチすることができました。
「日本のライフスタイルを体験する機会はなかなか無いので、それがアルバイトとして経験できるのはおもしろい」と、学生たちにとっても、このシッティングサービスは興味を引くものであったそうです。
こうして、わずか1年半で200人もの留学生が登録してくれました。
ー依頼家庭の獲得
(パワーママプロジェクトにて、今西さんはワーママオブ・ザ・イヤーを獲得)
創業当初は、お金のかかる広告施策は利用できないのでFacebookで拡散効果を図っていったそうです。今西さん自身がワーキングマザー(ワーママ)であったため、ワーママのSNSコミュニティにリーチしました。
情報感度の高いワーママコミュニティでの拡散によって、バイラル効果が生まれました。
また、リアルイベントに出向くことも認知を広げる効果がありました。今西さんによると、ワーママのリアルイベントは、よく開催されているそうです。働きながら子育てをするために、情報交換など共有の場は活発のようです。
こうした地道なアプローチにより、サービスリリースから1年半で累計100組以上の留学生と家庭のマッチングを成功させました。
前半では、chezmo familyのビジネスモデルと、初期ユーザーの獲得法についてご紹介いたしました。
関わる二者のユーザー(留学生・依賴家庭)についてそれぞれ、オフラインオンラインの2つの方法でリーチしていったことが分かります。
”ユーザーの種類によって、最適なリーチ方法を使い分けられるか?”
が、ここでのポイントになると思いました。
後編では、chezmo familyがユーザー体験向上のおこなったサービスローンチ初期施策について
ご紹介していきたいと思います。
今回も読んでいただきありがとうございました。
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いとけん
Launcheers共同代表。小学生の時に、父が脱サラして起業したこと・ シリコンバレーでの起業家精神に魅了されたことがきっかけで「起業家」に興味を持つ。 普段は名刺アプリ「Eight」のビジネスディベロップメントを担当