いとけんです。
さっそく、「0→1ファン作り」の紹介を始めます。
国内事例Vol.7「ツクリンク編前編」をお届けしてまいります!
「0→1ファン作りとは?」
スタートアップ初期における、
①ユーザー獲得戦略・施策
②ユーザー定着戦略・施策
それぞれを、国内外の企業事例で紹介する連載記事です。
(参考:「0→1ファン作り」:スタートアップ初期における、ユーザー獲得・定着戦略の特集を始めます。)
建設業界マッチングサービス「ツクリンク」
6年前の今日、
エイプリルフールの企画をきっかけに集まったメンバーから生まれたサービスです。
ITがまだまだ浸透しきっていない建設業界に挑み続ける、ツクリンクのサービスリリース成功の秘密をCEOの内山さんにインタビューしてきました!
前回は、国内インタビュー記事として「タスカジ編」を公開させていただきました。
(参考:業界の課題に挑み続ける、タスカジのサービスリリース成功の秘密とは?)
今回は国内企業インタビュー、「ツクリンク編」です。
「ツクリンク」は、無料で利用可能な建設業者マッチングサービスです。
リフォームや内装、塗装などの工事情報をサイト上に登録すると、施工可能な会員から取引連絡が届き、交渉が可能となります。
2013年5月、サービスβ版をリリース。
現在月間のPVは120万、ユーザー数は2万336社を越えます。
私事で恐縮ですが、父が建設業界に関わる仕事をしています。近くで見てきたので、多少なりとも建設業界について理解はあるつもりです。
建設業界には、個人の繋がりや知り合いづてで案件を受発注し合う文化があります。
そして、ITリテラシーも決して高い業界とは言えません。ツクリンクさんは、そんな建設業界に対して驚きの方法でユーザーへアプローチしていました。
今回は「ツクリンクがどう文化に馴染みファンを獲得していったのか」
CEOの内山さんに突撃インタビューしてきました。
内山達雄 (うちやま たつお)
株式会社ハンズシェア
代表取締役
大学中退後、とび職を経て、2012年にハンズシェアを共同創業。
建設業における仕事の発注元と受注先をマッチングするサイト「ツクリンク」を運営している。2018年3月現在、サイトの会員数は20,000社を超える。案件の紹介のほか、職人の求人情報も掲載しており、建設業界のスタートアップとして注目を集めている。
さっそくどうぞ!
Twitterがきっかけで出会ったメンバーで起業
そして生まれた「ツクリンク」
ー創業のきっかけ
【RT実験】このツイートが2000回以上RTされたら抽選で3名と勝手に共同起業します。何もしなくてもいいので勝手に取締役にします。何やるかは一緒に後で考えましょう。共同設立なので勝手に株式は半分差し上げます。 http://t.co/BSHqYrwC #hbkr
— 家入一真 Kazuma Ieiri (@hbkr) 2012年4月1日
(家入一真さんのTweetより)
CAMPFIREのCEOで、連続起業家の家入一真さんが、2012年のエイプリルフールに合わせて立てた企画「春の起業家祭り2012」
結果的に13,000もの数リツイートされた、この企画をきっかけに、集まった鳶職、学生、ニート、副業をする社会人、合計6人でカフェに集まったことからハンズシェアは始まりました。
「カフェで集まり話し合ううちに、サービスは決まっていなかったが箱だけ先に作ることになりました。
最初は職種も1通りいたからなんとかなるだろうと考えていました。しかし給与がない状態が続き、結果として1人、また1人とメンバーが抜けていきましたね。」
そんな中、現在のサービスのきっかけになったのはシードアクセラレーションプログラムへの応募だったということでした。
見つけて、とりあえず応募をしたそうです。動機はさておき、この時期にビジネスモデルを考案したということでした。
元々、内山さんが建設関係の仕事をしていたこと、ノウハウや課題や知識もあったこと。それらがきっかけとなって2013年5月にβ版となるツクリンクが生まれたそうです。
ー将来のビジョン
「一般の人達は建設業界って、遠い存在だと考えてる。大学を出て、建設業界に就職ってあんまり考えないでしょ?
でも違う。
住んでる家、道路、鉄道だったり全部建設業の人が作っているもの。「その人達のクオリティが下がる」=「自分たちの生活水準が下がる」ということを意味するんです。
建設業に入る人が、日々の生活を支えているというプライドを持って働けるようにしたい。業界に対する、見方を変えたいと思っています。」
建設業は100万社あると言われていて、今ツクリンクに登録があるのは2万社の登録があるそう。もっと競合他社に業界に入ってもらうことで、ITを浸透させたいと思っているそうです。
例えるなら、建設業はメルカリに近く、業者は仕事の受注と発注どちらも行うそうです。そして業界には、個人の繋がりや知り合いづてで案件を受発注し合う文化があります。ITリテラシーも決して高い業界とは言えません。
仕事の発注の大元がいて、元請けさんが決まっている会社が多いそうです。その場合、その元請けさんが潰れると会社の売り上げに大きく響きますよね。また、その際の単価も言い値になることも多いそう。会社のリスクヘッジとして複数の元請けを持っておく必要がありますよね。
「世の中の単価相場が上がっていても気づけない業者さんが多い。そんな時、本当に技術のある業者・職人さんが損をすることになる。」
内山さんは、サービスを通して業者の実績や特徴を可視化して伝えていきたいと話していました。
そんなツクリンクのユーザー獲得戦略について見ていきます。
相手にどれだけ利益をもたらせるかを常に考え、
対面で会って話すことを続けた。
ーユーザー獲得戦略①
まずは、内山さんが建設業界で働いていたこともあり、友人、知り合いの会社を回ったそうです。そこで会員登録をしてもらい、既存の案件を受注先が決まっていても載せてもらっていました。
なぜなら、会員登録をしてくれたユーザーがサイトを見た時に、受注情報がWebサイトに全くないと見た目がつまらないと考えたからです。
その後、テレアポ、飛び込み訪問、訪問企業からの紹介など直接対面で会うことを続けました。
ユーザーヒアリングはもちろんのこと、ツクリンクの事業に関係のないこともこなしていたそうです。(会社のメールアドレスの設定、PCの設定を代わりにしてあげること、Webサイトを作ってあげたり、名刺を作ってあげる等)
自社サービスでで解決できないことがあったら、まず相談にのってみる。それで解決できそうであれば取り組む。
その姿勢で常に相手に向き合っていたそうです。
「一般的に、建設業界の人はITに対して怖いイメージを持っているんです。まずよくわかんないし、騙されるんじゃないかと思っていることが多いです。」
そんな背景を理解している内山さんは、今まで業界の方のサイト作ってきたこと、名刺作ったことなど実績を見せることで相手に安心をしてもらい、信頼を獲得していることを意識しているそう。
①Webサービスをしている、というよりは対面でアナログに真摯に向き合う。②その上で相手にどれだけ利益をもたらせるかということに注力してきたそう。それにより信頼を獲得しユーザーを獲得してきたそうです。
ツクリンクの事例を、読者の方のサービス事例で活かすポイント
ターゲットユーザーの知識に合わせた、ユーザー集客
ツクリンクの場合は、①IT業界にリテラシーが高くない②「騙されるのではないか?」という疑念を持つ人が多い建設業界の方に向けたサービスです。今ではITが発達してきていて会わなくても電話だけで営業は取れる時代になってきています。
しかし、そんな会わなくてもいい時代だからこそ、会うことの意味が大きくなってきているのではないかと感じました。
ーそんなツクリンクが、IT業界に強くないユーザーにサービスを使い続けてもらうための工夫とは????
ツクリンク後編に続く。
今回も読んでいただきありがとうございました。
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いとけん
Launcheers共同代表。小学生の時に、父が脱サラして起業したこと・ シリコンバレーでの起業家精神に魅了されたことがきっかけで「起業家」に興味を持つ。 普段は名刺アプリ「Eight」のビジネスディベロップメントを担当