こんにちは、いとけんです。
今回も早速「0→1ファン作り」の紹介をはじめていきます。
「0→1ファン作りとは?」
スタートアップ初期における、
①ユーザー獲得戦略・施策
②ユーザー定着戦略・施策
それぞれを、国内外の企業事例で紹介する連載記事です。
(参考:「0→1ファン作り」:スタートアップ初期における、ユーザー獲得戦略の特集を始めます。)
前回は、「Progate編」を公開させていただきました。
(参考:「0→1ファン作り」:Progate編)
今回は、海外事例vol.11ということで、「DoorDASH」を取り上げていきます。
DoorDASHは、2013年創業の企業です。
一般的にシリコンバレーと呼ばれる地域である、アメリカのパロアルト地区で立ち上げられました。
スタンフォード大学の学生らが立ち上げた若い会社で、Y combinatorの卒業生でもあります。
最新の時価総額は約1.4億ドル。15年にはフォーブスの「次世代の10億ドル規模のスタートアップ企業」にも選ばれています。
(参考:世界一のシードアクセラレーター「Y Combinator」が注目する25の事業領域とは?(前篇))
(参考:Forbes「The Next Billion-Dollar Startups」)
サービスとしては、食事のオンデマンドデリバリーサービスを運営しています。
これについてはビジネスモデル図解で詳しく説明します。
しかし、サービスリリースした2008年当時、
全てが順風満帆なわけではありませんでした。
今回は「DoorDASHがどう文化に馴染みファンを獲得したのか」
調べてきました。
さっそくどうぞ!
①注文者②配達者③レストラン
という3種類のユーザーが存在
サービス概要
DoorDASHは、オンデマンドデリバリーサービスと呼ばれます。
オンデマンドデリバリーサービスは、一言でいえば宅配サービスです。従来のデリバリーサービスと違う点は、スマホアプリですぐに頼める、宅配状況がリアルタイムで把握できる、宅配をしていない店の商品も注文できる等の点です。
登場人物としては、①注文者②レストラン③配達者の3者です。
以下がサービスの流れとなります。
①注文者は、アプリを使ってレストランとメニューを選択する
②レストランは、注文を受け取って調理を開始する
③配達者は、レストランに向かって料理を受け取り、注文者に配達する
アメリカのフードデリバリー市場は7兆円ともいわれており、オンデマンドデリバリーは、この市場を狙っているサービスといえます。
3方向の鶏卵問題
今までLauncheersでは、多くのプラットフォーム型ビジネスを紹介しました。
(参考:「0→1ファン作り」:Airbnb編)
(参考:「0→1ファン作り」:スペースマーケット編)
今回、DoorDash編では①注文者②レストラン③配達者
以上3種類の登場人物が登場しますよね。
そんな彼らのユーザー獲得戦略について、
まず、詳しく見ていきます。
アイデアを思いついてから、
1時間後に作ったランディングページ
(アイデア発想から、1時間で作ったランディングページ)
まず、創業者のスタンリーらは
自分たちのアイデアにニーズがあるのか確かめようと決めました。
ある日フードデリバリーのアイデアを思いつきました。そしてその1時間後、簡単なランディングページを作成しました。
インターネットで、シリコンバレー周辺のレストランのメニューをPDFをいくつか見つけました。
それをレストランごとに集めて、自分の電話番号を載せただけの簡単なものです。
実際のページの画像です。
出来るだけシンプルに作成して、あんまり期待もせずにとにかくローンチしてみました。
スタンリーの目的は、自分達のアイデアにニーズがあるか確認すること。
つまり連絡が来るかどうかでした。
ページをローンチして家まで帰る途中に、驚くことに本当に電話がかかってきました。
その方からのオーダーは、「タイ料理をデリバリーしてほしい。」というもの
まさか電話が来るとは思ってなかったものの、
実際に来てしまったので対応することになりました。
オーダーがあった、タイ料理屋さんに向かいパッタイを買いました。
そして、デリバリーを届けました。
届け先は、学者の方だったそうです。
その翌日は2件電話があったそうです。
その後から5件、7件、10件と増えていきスタンフォード大学のキャンパス内で利用者が増えていったそうです。
なぜオーダーが入るのか、とても不思議でした。
ただランディングページに、
“You had to look up PDF menus to place your orders and then call in.”と書いてあるだけだったからです。
(デリバリーはしますが、自分でPDFを見てオーダーしてくださいね)
“しかし、逆に考えると
これだけ怪しさ満点のサイトなのに、オーダーがあるということはニーズがあるのかもしれない“とスタンリー等は考えました。
やろうと決めてから1時間程度でローンチしたページで、これだけの反響を得たので
ニーズはあるのではないかと考えたそうです。
決済サービスに
アカウント停止命令を受ける
(参考:デリバリーしている時の様子)
スタンリー等は、
アイデアを考えてからおそよ1時間でランディングページをリリースしました。
その時には、現在DoorDASHが提供しているサービスのアルゴリズムもなければ
デリバリー担当のドライバーもいません。
とにかく、最低限の形を作って世に出しました。
彼らはスタンフォードの学生だったので、
昼間は授業を受けて、授業が終わったらデリバリー担当して働いていたそうです。
同時にカスタマーサポートとしても働いていました。
時には帰宅時にユーザーからの電話を取ることもあれば、授業中にかかってくることもありました。
また、大学内でDoorDASHのチラシを配ったりもしました。
カスタマーサポートをすることで、フィードバックを直接リアルタイムで受けることができました。
サービス開始から最初の数ヶ月は利用してもらった全てのユーザーに対して
「使ってみてどうでしたか?」「どこで私たちのサービスを知りましたか?」と聞いていました。
もしその人が鳥肉の串焼きを注文していたら、
「僕もあそこの鶏肉の串焼きが好きです。美味しかったですか?」「どのように私達のことを知ってくれたのでしょうか?」という具合に、
形式的なメールではなく、親しみを込めていたそうです。
こうすることで、ユーザーは対応を喜んでくれた上、内容の濃いフィードバックをくれたそうです。
使えるものは全部使う話
システムも最低限のものだったので、利用できるサービスを使って足りない部分を補いました。
Squareを使って、クレジットカードの支払いをうけること。
Google Docsを使って注文状況を確認すること。
AppleのFind My Friendsを使って、ドライバーの現在地の確認をすることなど。
使えるものは全部使って、サービスを運営していたそうです。
DoorDASHが急速に成長した時、Squareにアカウントが停止されたそうです。
短期間の間にあまりに決済があったため、不正を疑われたのが原因でした。
このようにして、
DoorDASHはファンを獲得、更にサービスを向上させていきました
DoorDASHの事例を、読者の方のサービス事例で活かすポイント
とにかく、早く世に出すこと
自分のアイデアが上手く行きそうかどうかテストしてみることが大切です。
最低限の形でもいいので、素早くローンチすることでユーザーニーズの把握ができるし仮説検証を行うことが出来ます。
スタンリーの場合は、アイデアを考えてから1時間でランディングページを作っていましたよね。
記事を読んでいただきありがとうございました。
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いとけん
Launcheers共同代表。小学生の時に、父が脱サラして起業したこと・ シリコンバレーでの起業家精神に魅了されたことがきっかけで「起業家」に興味を持つ。 普段は名刺アプリ「Eight」のビジネスディベロップメントを担当