こんにちは、いとけんです。
今回も早速「0→1ファン作り」の紹介をはじめていきます。
「0→1ファン作りとは?」
スタートアップ初期における、
①ユーザー獲得戦略・施策
②ユーザー定着戦略・施策
それぞれを、国内外の企業事例で紹介する連載記事です。
(参考:「0→1ファン作り」:スタートアップ初期における、ユーザー獲得戦略の特集を始めます。)
前回は、「Instagram編」を公開させていただきました。
(参考:「0→1ファン作り」:Instagram編)
今回は、海外事例vol.10ということで、「Spotify」を取り上げていきます。
Spotifyはスウェーデン発、世界最大規模の音楽ストリーミングサービスです。
基本的なサービスを無料で提供、一部の有料サービスユーザーからマネタイズするビジネスモデルです。
Hello 70 million subscribers 👏
— Spotify (@Spotify) January 4, 2018
月間アクティブユーザー数は1億4000万人(17年6月時点)
有料会員数は7000万人(18年1月時点)
時期が違うので正確に比較は出来ませんが、単純比較すると有料会員比率は50%という比率になります。
(参考:Spotify Press)
Spotifyは、私も大好きなサービスの1つです。
プレイリストの多さはもちろん、
ランダムでリコメンドされる曲が自分が好きだと思う率が非常に高い点が好きです。
そんなわたしも有料会員です。
しかし、サービスリリースした2008年当時、
全てが順風満帆なわけではありませんでした。
今回は「Spotifyがどう文化に馴染みファンを獲得したのか」
調べてきました。
さっそくどうぞ!
・月間アクティブユーザー数1億4000万人
・有料会員数は7000万人
Spotifyのビジネスモデルは、フリーミアムと呼ばれるモデルです。
これは、サービスにおける基本的な機能を無料で提供し、一部の有料サービスユーザーからマネタイズするビジネスモデルです。
「Free(無料)」と「Premium(割増)」の2つの言葉を掛け合わせた造語と言われています。
一般的に言うと
無料で基本的なサービスをユーザーに提供するという性質上、利用者は集まりやすいように思われるかもしれません。
しかし目次でも書いたように
・月間アクティブユーザー数は1億4000万人(17年6月時点)
・有料会員数は7000万人(18年1月時点)
という驚異の数字を出しています。
そんなSpotifyのユーザー獲得戦略について、
有料会員・無料会員に対してどうアプローチをしていったのか。
詳しく見ていきます。
β版を、インフルエンサーやメディア関係者に使ってもらうこと、
招待された少数のユーザー限定アカウント作成が出来るようにすることで期待値コントロールした。
Spotifyは2008年10月に英国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、フィンランド、ノルウェー、スウェーデンで正式にサービスリリースが開始されました。
しかし、
それより1年以上前から水面下でβ版のテストマーケティングを行っていました。
Spotifyのβテストユーザーの多くは、地域のインフルエンサーやメディアの担当者に限定していました。
彼らがサービスに関しての感想や意見を拡散させることで、
サービスに対するフィードバックやその地域特有の機能開発に活かすための声を聞けるのはもちろん、
そのTweetや発言を見た一般ユーザーのサービスへの期待値を高めることが出来たからです。
サービスの噂は口コミによりどんどん広がっていきました。
公式にリリースをした2008年、
ユーザーの期待値は高まっていました。
Spotify側は2つのプランをユーザーに用意しました。
それぞれ、有料アカウントと招待者限定の無料アカウントでした。
招待された人のみが使えるサービスというプレミアム感、招待枠を月ごとに少しずつに開放していくという戦略で
サービス未使用のユーザーの期待値
既にサービスをしているユーザー満足度をコントロールしていきました。
実際にイギリスでは、公式リリースから1年となる2009年まで
招待者限定でサービスを利用できるキャンペーンが続いたそうです。
またSpotifyはこの戦略を、後のアメリカ進出、アジア進出など
グローバル展開する際にも使用しています。
いつでもどこでも
世界中のほとんどすべての音楽にオンラインを通してアクセス出来るという価値
(参考:Spotify Press)
Spotifyがリリースした2008年当時、
Pandora、MOG、Rhapsodyに代表されるように
他にも音楽ストリーミングサービスは存在しました。
しかし、いつでもどこでも月10ドル払うだけでオンラインを通して好きな音楽にアクセス出来るという価値が他になかったのです。
※Pandora(ラジオ型音楽ストリーミングサービス)
ユーザーが、好きなアーティストを選びます。
そして提供される音楽に対して肯定・否定的なフィードバックを取ることで好みに合わせて
変化していく。というものでした。
既存のサービスでは、以下の全ての条件を満たすものがなかったのです。
①サービス利用者が再生する曲を選ぶ自由度が高い
②価格設定が適性
③機能が充実している
Spotifyは2008年の公式ブログで、
Universal Music Group、Sony BMG、EMI Music、Warner Music Group、Merlin、The Orchard、Bonnier Amigoなどの企業とライセンス契約を締結したことを発表しています。
Spotifyが既存サービスになかった価値提供をユーザーに出来たことが
ユーザー満足度の向上に繋がったようです。
Spotifyの事例を、読者の方のサービス事例で活かすポイントは2つだと思いました。
①新しい市場に参入する際、ターゲットユーザーに適した方法でローカライズする
②競合他社にない、ユーザーが求めるものをつくること。
記事を読んでいただきありがとうございました。
▼一覧(提供企業)
- Prime Music :アマゾンジャパン合同会社
- Google Play Music :グーグル合同会社
- LINE MUSIC :LINE株式会社
- Apple Music :Apple Japan合同会社
- AWA :株式会社サイバーエージェント
- 楽天ミュージック :楽天株式会社
いとけん
Launcheers共同代表。小学生の時に、父が脱サラして起業したこと・ シリコンバレーでの起業家精神に魅了されたことがきっかけで「起業家」に興味を持つ。 普段は名刺アプリ「Eight」のビジネスディベロップメントを担当