こんにちは、いとけんです。
今回も早速「0→1ファン作り」の紹介をはじめていきます。
「0→1ファン作りとは?」
スタートアップ初期における、
①ユーザー獲得戦略・施策
②ユーザー定着戦略・施策
それぞれを、国内外の企業事例で紹介する連載記事です。
(参考:「0→1ファン作り」:スタートアップ初期における、ユーザー獲得戦略の特集を始めます。)
前回は、初の国内事例記事となる「スペースマーケット編」を公開させていただきました。
(参考:「0→1ファン作り」:スペースマーケット編)
大変反響いただき、嬉しいです。
まだまだ拙い部分も多いですが、
「いつも読んでるよ」って声に元気をいただいています。
本当にありがとうございます。
国内企業インタビュー、「GLIT編」です。
GLITは、カジュアルに候補者と出会えるAI求職アプリです。
Tinderのように左右にスワイプするだけで、興味あり・なしが選択出来る気軽さが特徴です。
17年6月にユーザー向けのβ版、8月に正式版
17年10月に企業向けのβ版、18年1月に正式版をそれぞれリリースしました。
現在では、150社以上が登録しており、
今までの転職候補者と企業のマッチングは1400を超えました。
今回はそんな「GLITがどう文化に馴染みファンを獲得していったのか」
CEOの松本さんに突撃インタビューしてきました。
松本 直樹
CEO(最高経営責任者)
同志社大学商学部卒業(2014年)。
SHIFTに入社し、外資系大手SIer案件にてオフショアへのテストアウトソーシングのコンサルティングを行う。
新卒1年目から部署の立ち上げを行い、営業/顧客折衝/提案/プロジェクト管理/予算管理/採用と幅広い業務を経験。
その後、海外に設立した子会社の立ち上げ支援を行う。
さっそくどうぞ!
「左右に画面をフリックするだけ」の手軽さで、
潜在的な転職者層にリーチ
GLITのビジネスモデルは、プラットフォームと呼ばれるモデルです。
これは、作ったプラットフォームの中で
①顧客側のユーザー②サービス提供側のユーザーの間に入って仲介をするものです。
①と②両方のタイプのユーザーが揃って、初めてサービスが成り立ちます。
逆を言えば、どちらかが欠けてしまうと成立しないビジネスモデルです。
一般的に「鶏が先か卵が先か問題」と呼ばれる、どちらのユーザーを先に獲得するかという問題を抱えることが多いです。
GLITの場合は以下の2種類のユーザーを抱えています。
①転職求人を出したい企業側のユーザー像(サービス提供側ユーザー)
②転職を考える求職者側のユーザー像(顧客側ユーザー)
GLITはまず、サービスの仮説検証を目的に、
②の求職者側のユーザーに対してアプローチをしていきました。
そのアプローチ方法について見ていきます。
他社企業のサービスを通じて求職者側ユーザーにアプローチ
結果として2ヶ月で1,000人もの新規ユーザーを獲得
GLITはβ版を17年の6月にリリースしました。
まず、求職者側の機能開発を目的として求職者側のユーザーを集めようと考えました。
そのため、掲載企業側に関しては外部の人材サービスの募集求人を使用しました。
具体的には、WantedlyやGreen等の求人媒体のURLを使いました。
求職者側のテストをするために、企業数が必要だったからです。
一方、目的である求職者ユーザーに関しては3つの方法を使ってユーザー獲得を行いました。
①友達・知り合いを当たること
②TwitterやFacebookなどSNSを使うこと
③YentaやMatcher等潜在的なユーザーがいる他社サービスを使うこと
でした。
①や②に関しては、文字通りそのままです。
知り合い友達に、1件1件メッセージを送ってユーザーを獲得したことや、
SNSを使って、シェアを生み出し多くのユーザーに露出をしたことでした。
③については、
まず、松本さんはGLITが獲得したい20代前後半の社会人ユーザーがどこにいるのか考えました。
そして目をつけたのが、YentaやMatcherというサービス達でした。
サービスを本来の使い方通りに使った後に、転職についてのヒアリングをしたり、サービスを使う様子をモニタリングしていきました。
こうしてβ版を出してから3ヶ月で、1,000人もの新規ユーザーを獲得していきました。
求職者側の機能やユーザー獲得をしたかったために、
求人情報を外部から集めてきてユーザーテスト・インタビューを繰り返しました。
ユーザーからの声をどこまで機能に実装するのか、で悩んだ。
GLITは、ユーザー獲得施策を行いながら、
同時にユーザーインタビューを行っていきました。
そして必要な機能を実装していきました。
まず、求職者ユーザー側のファン定着戦略について見ていきます。
①1日にスワイプ数に出来る数について。
GLITのサービスは、Tinderのような左右にスワイプするだけで企業を選べるサービスデザインが特徴です。
リリース当初、1日にスワイプ出来る数は10件にしていていました。
しかし、ユーザーインタビューを繰り返していく中で
「転職を目的とするサービスなら10件は少ない」という声を得ました。
人によって数を変えながら現在は、10〜100件のスワイプ数に設定しているそうです。
②毎朝8時に、おすすめ企業を知らせるプッシュ通知機能
当初、毎朝8時に10件のおすすめ企業を通知する機能がありました。
これは、サラリーマンは朝の出社時間に仕事の情報収集と合わせてサービスが使われるのではないかという仮説からでした。
しかし、ユーザー利用動向を分析する中で
ユーザーが見ている時刻は、①お昼休み②17時~18時の帰社時間③深夜22時以降だとわかってきました。
それ以降、朝8時にプッシュ通知する機能は停止しました。
「ユーザーの声を聞くことは大事。だけどユーザーの声を聞きすぎでもだめ。いかに声から本質を洞察出来るか。」だと松本さんは話していました。
ただユーザーを獲得するだけでなく、
サービスを使ってもらう、ユーザーに提供する体験を向上させていきました。
このようにして、GLITは最初のファンを作っていきました。
ポイント:重要になるは2つ点だと思いました。
①友達知り合いやSNSに連絡を取ることは当たり前。
特にスタートアップの場合、これまでにない視点のコンセプトのサービスが多いです。そんな中でいかにアーリーアダプターと呼ばれる使い続けてくれるユーザーを獲得出来るかがサービスの命運をわけます。
よく言われることですが、改めて「友達・知り合い・SNSなど自分の出来ること使えるものは全部使っていくこと」の必要性を感じました。
②ユーザーの声から、本質を洞察すること。
ユーザーインタビューをしたり、サービスをテストしてもらうとユーザーの方は様々な声を教えてくれます。
サービスのコンセプトにおける最低限の機能を実装していくことが重要だと考えました。
参考になれば幸いです。
今回も、記事を読んでいただきありがとうございました。
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いとけん
Launcheers共同代表。小学生の時に、父が脱サラして起業したこと・ シリコンバレーでの起業家精神に魅了されたことがきっかけで「起業家」に興味を持つ。 普段は名刺アプリ「Eight」のビジネスディベロップメントを担当