スペースマーケットCTOに聞く、サービス文化を浸透させる秘訣とは? 「0→1ファン作り」:スペースマーケット編

0→1ファン作り:spacemarket編

こんにちは、いとけんです。
今回も早速「0→1ファン作り」の紹介をはじめていきます。

「0→1ファン作りとは?」

スタートアップ初期における、
①ユーザー獲得戦略・施策
②ユーザー定着戦略・施策
それぞれを、国内外の企業事例で紹介する連載記事です。
(参考:「0→1ファン作り」:スタートアップ初期における、ユーザー獲得戦略の特集を始めます。

前回は、「Etsy編」を公開させていただきました。
(参考:「0→1ファン作り」:Etsy編

いつも読んでいただき、本当にありがとうございます。

今回は、初の国内事例となる「スペースマーケット編」です。
スペースマーケットは、空きスペースの貸し借りを行うサービスを運営している企業です。
その掲載スペース数は国内外で13,000を越え、月間100万人以上のユーザーが訪れるサービスとなりました。

今でこそ、シェアリングエコノミーという言葉を聞くようになりましたが。
スペースマーケットが創業をした2014年当時はその概念はまだまだ浸透していませんでした。

今回は「スペースマーケットがどう文化に馴染みファンを獲得していったのか
CTOの鈴木さんに突撃インタビューしてきました。

鈴木 真一郎取締役CPO 兼 CTO
早稲田大学第一文学部卒。
SIerにて決済システム立ち上げ後、2005年ヤフー株式会社入社。エンジニアとしてサッカーW杯、夏季冬季五輪などメガイベントの開発・運用、ネタりか等の新規事業立ち上げに従事。社長賞受賞。2010年リクルートMTLで複数のサービス立ち上げに参画後、2011年ソーシャルアプリ事業でのスタートアップ起業を経て、2014年1月、株式会社スペースマーケットを共同創業。

それでは、どうぞ!

▼もくじ

ビジネスモデル図解

スペースを貸すオーナー側のユーザー
スペースを借りる利用者側のユーザー


スペースマーケットのビジネスモデルは、プラットフォームと呼ばれるモデルです。

これは、作ったプラットフォームの中で
①顧客側のユーザー②サービス提供側のユーザーの間に入って仲介をするものです。
①と②両方のタイプのユーザーが揃って、初めてサービスが成り立ちます。

逆を言えば、どちらかが欠けてしまうと成立しないビジネスモデルです。

一般的に「鶏が先か卵が先か問題」と呼ばれる、どちらのユーザーを先に獲得するかという問題を抱えることが多いです。

スペースマーケットの場合は以下の2種類のユーザーを抱えています。
①レンタルスペース提供をするオーナー側のユーザー像(サービス提供側ユーザー)
②レンタルスペースに借りる利用者側のユーザー像(顧客側ユーザー)

スペースマーケットは当初、
①のオーナー側のユーザーに対してアプローチをしていきました。
そのアプローチ方法について見ていきます。

ユーザー獲得戦略

緻密なPR戦略と営業活動により、レンタルスペースを獲得。
しかし…

スペースマーケットは当初、PR戦略と営業に力を入れて行きました。
サービスリリースする時期に合わせて、メディア映えをするスペースを事前に確保しました。
そうすることで拡散効果が狙えると考えたからです。

飛び込み営業、人づての紹介という方法で
結婚式場、古民家、お寺から球場まで幅広いスペースに営業しました。
泥臭い方法で、サービスに掲載するスペースを増やしていきました。
そしてリリース時に、海外の野球場を全面に打ち出したサービスページを公開しました。
狙い通り、Tech Crunchなどスタートアップメディアへの掲載、
ホリエモンからのTwitterでのRT、IVS等のピッチイベントでの優勝を果たしました。
PR戦略を通じて、サービスの露出や掲載スペースを多く獲得しました。

しかし、問題が発生します。
サービス利用者側のユーザーが来なかったのです。

ユーザー獲得戦略②

地道なSEO戦略を通じて、
サービス利用者ユーザー数を10倍増やすことに成功

確かに、PR戦略でサービスを知ったユーザーは、Webサイトを見に来ました。
しかし、その後サービス利用をするに至らずサイトから離脱していました。

原因を分析したところ、自分たちが作りたい文化である「ユニークなスペースをレンタルする」というサービスコンセプトが
ターゲットユーザーにリーチしていない
ことがわかりました。
メディア経由でサイトに来る、アーリーアダプター層で初期のサービス利用者になってくれる人はごく少数だったのです。
そこで、コンセプトに共感してくれるユーザーにマッチし、
サービスを広める上で打ち出せるわかりやすい既存のワードがないかを考えました。
そこでたどり着いたのが「レンタルスペース」というワードでした。

サービスリリースをした2014年当時、
「レンタルスペース」と検索した時に検索候補として挙がる言葉は「レンタルスペース 倉庫」「レンタルスペース 会議室」でした。

スペースマーケット側は、これではサービス利用者が使用シーンを想定出来ないと考えました。
そこで、レンタルスペース自体のイメージや、紐づく言葉を作り直すことで、
サービスコンセプトの浸透を狙うことが出来るのではないかと考えました。

具体的には、SNSやメディアでPRをする時に「レンタルスペース」という言葉を意図して使うようにしました
またサイト構成としても根幹となるワードを見つけられたことで、
SEO対策を行うことが出来、
自分たちが伝えたいサービスコンセプトを伝えることが出来るようになりました。

結果として、SEO対策をする前と比べて利用者ユーザー数は10倍になりました

ユーザー体験向上戦略

ドッグフーディングを通して、相互レビュー機能を実装
サービス利用者数が10倍に増加した。

スペースマーケットは、創業当時からドッグフーディングを頻繁に行っていました。
※ドッグフーディング
自社製品を社員が使用することで、製品の問題点をチェックすること。
ユーザー視点で、製品の品質やUXすることが出来る。
(参考:ファン作りにおける、ドッグフーディングの重要性

ドッグフーディングを通じて、
ユーザー視点に立つことでサービス機能の見直しをしていました

そんな中で目をつけたのが「レビュー機能でした」

当初、レビュー機能はサービス利用をしていなくてもその場所を知っていれば誰でも書ける状態でした。
ドッグフーディングを行っていく中で、サービス利用前後にレビューを書くタイミングがないことに気づいたのです。

そこで、スペースマーケットとしては相互レビュー機能を実装しました。
スペースのオーナー、レンタル利用者それぞれが相互にレビューすることで
相手がレビューを書いたタイミングで相手に通知を行いました。

この機能を実装する前後で、ユーザーレビュー数は10倍以上に拡大しました。

最後に

ポイント:重要になるは2点だと思いました。

1点目は、サービスコンセプトを伝えることです。
特にスタートアップの場合、これまでにない視点のコンセプトのサービスが多いです。
ユーザーが利用シーンを具体的にイメージ出来るようにSEO対策やPR戦略を計画していく必要があるだろうと思いました。

2点目は、ユーザー目線で自社サービスを使うことです。
サービスを使う中で想定していた機能が使われるシーンが、実際に使ってみると機能への導線が出来ていないことはあると思います。
また、普段からサービス開発をしている自社の社員が使いたくないようなサービスは、第三者が使用したいと思わないことが多いはずです。

参考になれば幸いです。
今回も、記事を読んでいただきありがとうございました。

【以下の方募集しています】
「0→1ファン作り」のインタビューをさせていただける方
情報提供をしていただける方
ご意見をいただける方など
ぜひ、こちらのURLからご連絡ください。:メッセージを送る

 

0→1ファン作り:spacemarket編

ABOUTこの記事をかいた人

Launcheers共同代表、01ファン作り責任者。 早稲田大学4年生、1年間休学をして海外留学を経験。 その際、シリコンバレーのデザイン会社で長期インターン。 ①シリコンバレーでの起業家精神に魅了されたこと、②父が脱サラして起業したことがきっかけで「起業家支援」に興味を持つ。 17年の11月に代表町田と意気投合して、「Launcheers」を創業