業界の課題に挑み続ける、タスカジのサービスリリース成功の秘密とは?

いとけんです。

さっそく、「0→1ファン作り」の紹介を始めます。
国内事例Vol.6「タスカジ編」をお届けしてまいります!

「0→1ファン作りとは?」

スタートアップ初期における、
①ユーザー獲得戦略・施策
②ユーザー定着戦略・施策
それぞれを、国内外の企業事例で紹介する連載記事です。
(参考:「0→1ファン作り」:スタートアップ初期における、ユーザー獲得戦略の特集を始めます。

前回は、国内事例記事として「LabBase編」を公開させていただきました。
(参考:「0→1ファン作り」:LabBase編

今回ご紹介するのは、国内事例記事のVol.6「タスカジ編」です。

タスカジは、家事代行マッチングサービスです。
大ヒットドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」をきっかけに家事代行を知った方も多いのではないでしょうか。
従来型の家事代行サービスとは異なる新しい形で、サービスを提供しています。
これについては後で説明します。

2017年12月には、日経WOMANのWOMAN OF THE YEAR 2018働き方改革サポート賞を受賞しています。

今回、「タスカジがどのように文化に馴染み、ファンを獲得したのか」
CEOの和田さんにインタビューをしてきました。
さっそく見ていきましょう!

和田 幸子(わだ さちこ)

タスカジ 代表取締役

自分自身が出産後の家事と仕事との両立に悩んでいたことをきっかけに、起業。
家事代行マッチングサービス「タスカジ」を、2014年にスタートする。通常1時間2500円程度の家事代行を、1時間1500円から利用できたり、オンラインで依頼できたりするなど、手軽なものにする。
17年には、タスカジに登録するハイスキルなハウスキーパーを、メディア出演や出版を通じ、「伝説の家政婦」としてスター化することに成功。「タスカジ=プロ集団」という認知を高めた。

▼もくじ

ビジネスモデル図解

家事という問題を解決することで、
誰もが活躍したいと思った時にその選択肢が得られるような世界にする。

ー創業のきっかけ

きっかけは、和田さん子育てをしながら仕事に復帰したことから始まります。仕事から帰ってくると、子育てに加えて家事が溜まっていたそうです。そんな日々の中で、家事のことを考えると、エネルギーを残しておこうと考えてしまう自分がいたそうです。周りを見渡してみると、家事が原因でキャリアを諦めている女性が多かった。つまり、キャリアへのチャレンジの機会が失われることが多かったそうです。

これを見てどうにかしたいと思ったのが創業のきっかけ。

またその時に、家事代行サービスを自分で契約して使った時の経験が現在のサービスにも活かされているそう。例えば、サービス内容を自分流にアレンジしてもらえるということも、そこから生まれています。
既存の業者のサービスでは、サービス内容が決まっていてお願いした内容しかしてもらえなかった。しかし、共働きで子供がいて日々状況が変わる家庭状況だと、決まった1つの型ではなく柔軟に、サービスを提供してくれる方が使いやすい

それがタスカジにも取り入れられているそうです。

ーサービスの先に実現したい世界

家事代行サービスを通して、実現したい世界は2つあるそうです。
1つめは、女性に偏っていた家事という問題を解決することで、女性が活躍したいと思った時にその選択肢が得られるような世界にしたいということです。
その後、家事の問題は平準化が進んだ時女性だけの問題ではなくなってきます。
その時に誰もが自分の思ったとおりの人生を思ったタイミングで実現出来るような世界にしていきたいそうです

ー従来の課題

共働き家庭が増える中で、家事問題は大きな問題になっていました。
しかし、なかなか家事代行サービスの利用者がいなかったそうです。
その理由を、和田さんは大きく2つあると分析します。

理由:①価格の高さ
創業当時の2013年、一般的なWebサイトを通して予約をした時に3000~3500円/1時間が相場だったそうです。
家事は、1回あたりの平均利用時間は3時間ほど使われることが多いですが、これだと利用ごとに1万円を越えてしまいます。
今までは、富裕層向けのサービスになってしまっていました。

理由:②罪悪感とセキュリティ問題
日本人の価値観的に、家事は女性のものという考えが根強いです。家事を任せてしまうことで、罪悪感を感じる女性が多いです。
また、島国ということもあって、他人が自宅に入ってきて家事を行うということが、セキュリティの面から心配という声も多いそうです。
これらの課題がある中で、以下の施策をとっていきました。

ユーザー獲得戦略

ユーザー獲得で取った施策は合計3つです。
①利用者側の集客
②タスカジさん側の集客
③テストマーケティング

ー①利用者側の集客について
SNSを使ったママ会に参加し、
ユーザーヒアリングをした。

(ハッシュタグ、#ワーキングマザー)

まず、和田さんは自社のターゲットになりそうなセグメントを見極めました。
それぞれ、①ワーキングマザー②キャリアを考えている人③小さい子を持っている家庭の母親
以上の3つが含まれたユーザー像を決めました。

そして彼らがいる場所を考えて施策を考えました。
自分自身のママ友達に課題のヒアリングを聞くことはもちろんのこと、普段からFacebookとTwitterを中心ワーキングマザーが集まる、ママ会によく顔を出していたそうです。

私いとけんのイメージですが、一般的に、ママ会といえば自分の大学時代の友人や住宅街で出会ったママ友達というイメージでした。

しかし、2013年当時にTwitterでハッシュタグ「#ワーキングマザー」を用いてFacebookでワーキングマザーのグループの存在が一般的だったそうです。
そこでは、子育てに関する悩みはもちろん様々なコミュニケーションがやりとりされていて、定期的にオフ会が開かれ顔と顔と合わせた場があったそうです。

和田さんは、そこで自身の子育てに関する悩みや家庭内の家事分担についての相談をする中で、仲良くなった人へ「家事代行のサービスを今考えているんだけど、どうかな?」というサービスヒアリングや、利用してみたい人を見つけてはコミュニケーションをしていたそうです。

イベントに参加して、Facebookで繋がります。
その後事業の進捗具合を公開することで、「いつもいいねを押してくれる人」がいて元気を貰っていたそうです。
そして、そんな人はユーザー候補になってくれることもあり、彼らをβ版を公開した時の、テストユーザーに選ぶこともしていたそうです。

テストマーケティングの話を、詳しくユーザー定着戦略で書かせていただきます。

ータスカジさん(スキル提供者)側のユーザー獲得

(サービスイン後、タスカジさんを集めて行った「タスカジさん感謝祭」の様子)

「自分がユーザー側である、利用者側の気持ちやどこにいるかはわかっていた。
しかし、タスカジさんがどこにいてどんな興味を持っているのか等、ペルソナを決定するのが難しかった」と和田さんは話す。

まずは、自分で家事代行を利用してみて、ハウスキーパーさんを色々雇ってみてその属性を探ったそうです。
その中で見えてきたのは、スキルが人によって様々ということでした。1時間で3時間の働きをしてくれる方もいれば、逆の場合もあったそうです。

その後、知り合いの日本人の主婦の方に、紹介をお願いをしたが見つかりませんでした。
人材紹介のサイトで、ハウスキーパーさんの募集をかけようとも考えましたが、利用料が当時の会社に規模にとって高すぎて、利用できなかったそうです。

そんな時、他にも活躍していただけそうだったのがフィリピン出身の方でした
彼らは、①日本に15万人いて永住権を持っている人も多かったこと、②相対的に比較した時に料金が安かったこと、③フリーランスとして、家事代行を仕事として働いている人が多かったこと
以上の3つの特徴があったそうです。

そして、何より和田さんがいくつか家事代行サービスを使う中で、フィリピン出身者の家事スキルの高さ、仕事への意欲高さを知っていたからです。

また、英語を彼らが話すことができることが、付加価値となるのではないかと考えました。
一般的に、家事代行サービスを使う女性ユーザーは、グローバル人材として期待され語学研修などを受けていることが多いです。そこに注目し、”英語の学習もできる”という付加価値を家事と共に提供すればよいのではと考えました。

そして、従来の課題であった家事代行サービスへの罪悪感も減らせるとも考えました。
「家事をお願いする」から、「英語を勉強できる環境を作るためにも利用している」という意識に変えられるのではないか?ということです。

まず、フィリピン出身者を探すために、個人単位で募集が出ているWebサイトを見つけました。
そこを利用して何人かアプローチし、「あなた達みたいな人を募集するにはどうしたらいい?」と聞きました。
その結果、港区や麻布十番辺りにある外国人用のスーパーで募集をするという解決手段を見つけたそう。

そして、チラシを貼らせて欲しいとお願いをしたところ快諾を貰えたので、いくつかスーパーにチラシを貼りました。
すると、4~5か月の期間で、100人以上の応募が集まりった。

また、彼らは自分がいいサービスだと感じると友達を紹介をしてくれる率が高かったそうです。
彼らの紹介でもらった、「週末に教会の近くでチラシを配るといいんじゃないか」というアイデアもあり、徐々にユーザー獲得をしていったそうです。

ユーザー体験向上戦略


(当時の、テストマーケティングの資料を抜粋)

ーテストマーケティングを経て、多くのインサイトを得た。

ユーザー獲得のところでご紹介をした、
利用者側:SNSを利用して出会ったママ友達
提供者側:フィリピン出身者の方
彼らにお願いをして、タスカジのプラットフォームのβ版を作成し、テストマーケティングを行いました。

内容は、和田さんが紙やエクセル/メールを用いて両者を仲介するというものでした。
利用者側: タスカジさん側=3:3くらいで合計10人に試してみたそうです。
その結果、学べることは多かったそうです。

①日程のキャンセルについて。
一般的に、ドタキャンや忘れていた等の理由でハウスキーパー側がキャンセルが多いと思っていましたが、
意外と依頼者側もキャンセルをすることがわかりました。
その理由としては、「今日忙しくなってきたから、明日お願いしたいです」のようなものが多かったそうです。

キャンセル時のペナルティは両者に必要だと考えたそうです。

②Googleマップを渡したけど使えないという話
スキル提供者側で、目的地までたどり着けない人がいました。
理由を聞いてみると、「Googleマップが使えない」という人から、「極端に方向音痴で、道に迷ってしまうという」人まで様々な理由がありました。

「方向音痴な人には、プロフィール欄に自分は迷いやすいと書いてもらう必要があること」、「また、そういう人でも働けるように、駅に迎えに来てくれるのであれば依頼を受け付けますという機能を作る」という発見がありました。
他には、依頼者側にも道に迷う可能性があるので、時間の30分前には携帯を手に持ってもらうようにお願いをしました。

そのような細かいところを運用ルールに載せるのか、それともシステム上で実装するのかということも考えました。

・ユーザーの期待値のコントロールをしておくこと
・運営側が発生するトラブルを把握しておくこと
これによってユーザーの満足度が大きく変わってくるそうです。

ーサポートセンターの充実をさせた

インターネットのサービスは最初から、サポートセンターに対する期待値は低いそうです。
そのため、そこを充実させれば顧客の満足が向上すると考え、丁寧に対応することや、意見に対して真摯に向き合うことを意識したそうです。

ーサービスのインセンティブ設計

家事代行というサービスは、一般的に継続利用をする方が多いそうです。
利用者側は、いい人とマッチしたらその人に継続的にお願いをしたいと考えていることが多く、一方、提供者側も、新規の人というよりも継続利用の人を相手にしたいと思っているそうです。

継続利用が起こりやすいように、システム上で料金を1回きりのスポット利用より安くしているそうです。
結果的に、定期利用の率を高いまま保てているそうです。

最後に

タスカジの事例を、読者の方のサービス事例で活かすポイント

ターゲットユーザーのセグメント設計を立てる重要性
タスカジは、サービスを創業するにあたって、ユーザーのターゲティングを仮説立てて行うこと、そして仮説をオンライン・オフラインで検証していました。
利用ユーザー側は、和田さん自身の経験からSNSを使って、ママ達の課題のヒアリングを行っていました。そしてサービスリリース時には使ってもらっていました。
タスカジさん(家事スキル提供者)側も、仮説を立てながら行動することで高精度でユーザーの集客を行うことができていました。

タスカジでは、採用募集を行っています。

私、いとけん自身も先週タスカジさんの飲み会に参加をしてきました。
自社サービスを使って、毎回パーティを開いているそうで、私も初めての参加でしたが、社内からも利用ユーザーからも暖かい雰囲気を感じることができました。

興味のある方は、ぜひ応募してみてください!
URL: https://www.wantedly.com/companies/taskaji/projects

【以下の方募集しています】
「0→1ファン作り」のインタビューをさせていただける方
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ABOUTこの記事をかいた人

Launcheers共同代表、01ファン作り責任者。 早稲田大学4年生、1年間休学をして海外留学を経験。 その際、シリコンバレーのデザイン会社で長期インターン。 ①シリコンバレーでの起業家精神に魅了されたこと、②父が脱サラして起業したことがきっかけで「起業家支援」に興味を持つ。 17年の11月に代表町田と意気投合して、「Launcheers」を創業