アクセラレーターとは結局”誰のため”のものなのか?

「ITビッグ5、若い企業のむ 600社超買収20兆円」

こんにちは、ランチャーズの町田です。

今回注目した記事は「米国のIT巨人(時価総額の上位5位を占めるアップル、アルファベット(グーグルの持ち株会社)、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コム、フェイスブック)の事業基盤が強すぎて、若いスタートアップが育つ前に次々と買収されてしまうため、新しい企業が育たない」という問題について書かれた記事です。
実際にこれらの巨人たちの買収によって、アメリカでは企業の開業率は過去40年の最低水準に下がったそうです。
また、これらの企業が若いスタートアップの技術をしたたかに取り込んでいるとの報告もあります。

日本でも、しばしばアクセラレーションプログラムというと、「起業間もない企業に対して、支援側が持っている様々なリソースを提供し、成功に導く」という所謂”いい人”の文脈で語られることが多いです。
もちろん中には、自らの利益以上に支援を行う所や、Proto Starのように資金提供ではなく人脈や助言等を専門に行う”中立”の支援特化の所もあります。

しかし、当然ですが全てのアクセラレーターがこのような種類ではないのも事実です。
「事業開発の効率化を主目的に行っている企業」や「アイディア発想の参考のためにする企業」もあります。
その目的は多種多様です。

だからこそ、本記事に書かれている「スタートアップにアイディアを参考にした」ことに対する一方的に批判は、いささか急すぎるのではないかと私は思います。

支援側も企業であれば当然のように何かしらの”利益”を享受しようとするのは当然です。
そしてその利益が”アイディアを参考にする”という形になったしても、アクセラレーターの文脈として矛盾していないのではないでしょうか。

それが良いかどうかは別問題として、その企業は”アイディアを参考にする”という目的を果たしているに過ぎないからです。

では、この問題から本当に考えなければいけないことは何でしょうか。
それは、支援という形を受ける以上、受ける側は「何を相手は支援の利益と考えているのか」を意識しておく必要があるということです。
この点はつい忘れてしまいがちです。

そして同時に、支援する側も”誰の”ための支援を行うのかという事を明確にしておく必要があると思います。
この支援は結局「自社のため」のなのか、「スタートアップのため」なのか、それとも「国や地域のため」なのか。
これを曖昧にしたまま支援を行うと、支援側と支援先双方の認識に差が生じ、結果としてこの記事のような批判に繋がっているのではと思います。

そして結果として、意図的に曖昧にしているアクセラレーターは周りが”選別してはじく”という形ができれば、日本のスタートアップエコシステムも上手く回っていくのではないでしょうか。

更に、こういった”決め”を明確にすることで、難しくなっているアクセラレーターの「独自色」も、出てくると思います。
差別化をしたいからプログラムの内容を変えるというのは本質的な問題ではありません。
あくまで内容の差は独自色を決める要因の1つです。

つまり目的の”決め”の違いによって、プログラム内容にも差が生まれ、その結果独自色が出てくる。
これが本来の順番ではないかと思います。
そしてこの流れで進めば、支援される側が矛盾を感じるプログラムになることはないのではないでしょうか。

現場からは以上です。